冥土の土産と裕福な暮らし
【時間だけは、たっぷりある】
コロナ禍に入り、自分自身もこの台詞を何度も繰り返している。ミュージシャンからもよく出る言葉。
何度もどころかこの一年半で何百回も見聞きして自分も言ってきて、そのうちにふと浮かんできた疑問。
例えば今、もう働かなくても一生食っていける金が手に入ったとして、その時自分がやりたいことって、何だろう??
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先日夫が、10億円手に入ったらどうする?と尋ねてきた。
どうするだろう?
何したい??
仕事は?
音楽は?
どこに住む?
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同じ質問を20年前にされていたら、やりたいことは色々あった。海外も未経験だったし、物欲も多かったし、欲がたくさんあった。
が、少なくとも阪神大震災後からのこっち26年、好きなように生きてきて、いろんな仕事して音楽も好きなようにやってめちゃくちゃ働いてこの年齢になり、だいたいのことは人並以上に経験して
今後は金に全く困らない、お金ならいくらでも湧いてきますから、ってなったら、やりたいこと…
少なくとも投資して増やして億万長者とかも思わないし
湧いてくる金でマリブに豪邸立てて移住したいとも思わないし
多少行きたい場所はあるが、豪遊までは興味ないし
金に糸目をつけない高級レストランでの食事もそんなに興味ないし
豪奢な服や靴も別に要らないし
近くに小さな農地を買って、自分たちが食べる分くらいは育てたいなとか
自分が自由にピアノ弾いて歌ってっていう部屋は欲しいなとか
昔から言ってる、ええ加減な飲み屋やりたいなとか
少しのんびりした旅はしたいなとか
料理色々研究したいなとか
思い浮かぶのは、自分で作り出せるもの。
お金が潤沢にあればあるほど、それならずっと家にいて、思いつくまま好きなことするかな、、、
今住んでいる家は気に入っているから、お金に困らないならここにずっと住めるわけで、花を育てたり、野菜作ったり、おやつ作ったり、わんこと遊んだり、何か作ったり、ピアノ練習して、興味のあること勉強して。
…って。あれ?
これ、居酒屋以外は、正に今やってること。
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やりたい暮らしの主軸。
それは【時間】
お金があったら、何より欲しいのは【時間】
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コロナで仕事がなくなり時間が出来て、それが長くなるうち、どうせ時間があるなら、と言ってなんやかやとやり始めたこと。
日々食すものを自分で作ること、パン、ヨーグルト、おやつ、そして畑での野菜。外で食べていたようなものも、自分で作るようになった。
自身のヘアカットやカラーリング、香雪のトリミング、語学や法律や化学の勉強。
金を使って買っていた物や技術に払う金額はどんどん減っていった。
数年前までは、前の年の収入を上回るように、どうやって稼ごう、どうやってやっていこう、そんなことばかり考えていたのに。
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裕福な暮らしとは結局
自分の時間を自由に出来ること。
自由に使えるお金がいくらあっても、そのお金を自由に好きなように使える時間がなければ10億円も無用の長物。
まず何より先に、自分の時間を自由にすること。
その先に、そのための必要なものがあり、そのために必要な分だけ、稼げば良い。
って思うと、あんまりお金って要らんのやなぁ。
どんなに稼いだところで
冥土に金と名誉は持っていけない。